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アマゾン川 保護区でのピラルク その@ |
アマゾン ピラルク レポート その@ | そのA |
なんと昨年になって、アマゾン川にピラルクの釣り場が新設されたというのだ。
そこはアマゾン川本流から水路で繋がった広大な湿地帯が広がる自然保護区内にある。
これまでは全くの禁漁区であった為、様々な魚や野生動物が豊富であった。
近年の調査でピラルクの個体数が増えすぎているということで、一部の場所での漁が地元漁師に解禁されたのだが、それを観光資源として利用しようというあるフィッシングガイドの提案で、その釣り場が実現したのだ。
そこはシングルバーグレスフックオンリー、キャッチアンドリリースオンリーの釣り場らしい。
そして、そのガイドからこの釣りに誘われたときに、私は二つ返事をしてしまったのである。
果たして、目の前にピラルクは現れるのか。
果たしてフライロッドでその巨体を釣りあげることができるのか。
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10月中旬に私と小縄さん、長尾さんの3名でブラジルのアマゾン川の起点の都市マナウスに降り立った。
マナウスから飛行機で1時間半ほどでテフェという町に降りた。
テフェ湖の桟橋からスピードボートでロッジに向かう。
アマゾン川本流は白く濁っていて流れも重そうだ。 |
アマゾン川本流を1時間程遡り、水鳥達の楽園の水路を辿ると、水上に浮くロッジに到着。
スタッフのジェシカが温かく迎えてくれた。 |
早速荷を解き、タックルをセットして釣りにでた。
水路のあちこちでは何やら水面に、明らかに巨大魚らしき水飛沫があがっている。
これが全部ピラルク!?
出会えるかどうかと思っていたが信じられないほどの魚影である。
わずか数投で小縄さんにアタリが・・・直後に未経験の重量感が#12ロッドを通じて背骨に伝わる。 |
やっと相手が水面にでて大きな波紋を見せるが、水色が暗くてまだ魚体は見えない。
ボートを岸に付けて魚をずりあげるのが唯一のランディング方法らしい。 |
ガイドがなんとか魚の口を掴んだのだが、まだ正体を現わさない。 |
無事ランディングできた1.5メートルもあるピラルク!
いきなり旅の目的を達成してしまった!! |
まさに古代から時空を超えて来たような、全身に鎧をまとった風貌。 |
翌日は水路のつきあたりにある湖を釣った。ピラルクは湖中でその巨体を水面に出してドッバン、バッシャンと水飛沫を上げている。
水深は10メートル程あり、ピラルクがエサを食べるのは中層から底だそうだ。水面には古代魚特有の肺呼吸をするためにあがってくる。
長尾さんが沈めたフライをゆっくりとリトリーブをしていると、ちょうど水面に出た魚が沈みながら出す泡の中にフライが入った。小さな違和感のようなアタリの直後、ロッドに強烈な重さがのしかかった。しかし、数分のファイトの末にボートの真下まで寄せた魚はフックアウトしまった。 |
この日はこれ以降アタリはなく、もうひとつのターゲットであるアロワナを狙った。アロワナは岸際で群れていて、ポッパーや大型ドライフライに面白いようにアタックしてくる。フッキング後はジャンプを繰り返し、6番ロッドをバットから絞り込んでくれた。 |
ピラルクと同種の古代魚であるアロワナ。
この大口で魚や昆虫、小鳥やネズミまでも食べるらしい。
2本のヒゲが特徴的だ。 |
翌日も同じ湖で釣りをした。ピラルクの巨体が湖中に水音を響かせるなか、フライをキャストしては沈めてスローリトリーブを繰り返しては、何度か場所を移動した。
ガイドのギラルミーは優しく釣り方を指南してくれた。 |
別のボートで小縄さんがピラルクをランディングに成功。
鎧をまとった姿は数万年前から変わらない。 |
1.5メートルほどのピラルクの重さは50キロほど、人と同サイズの魚だ。 |
同じように魚が出した泡のなかにフライが通った時、私にも待望のアタリがあり、我を忘れてラインを手繰って岸に引き揚げようとした。 |
実寸1.4メートルの魚体を抱えて嬉しさがこみ上げる。 |
ジャングルと水に囲まれたロッジでは、夜明けとともにホエザルの遠吠えと水面の破裂音で目が覚める。 |
あちこちで大型魚がうるさく跳ね、カイマンは静かに水面を滑る。 |
快適なフローティングロッジ生活を送ることができたが、唯一の難点は、部屋から竿をだせるところにピラルクやアロワナ、他の熱帯魚達がうようよいるのに釣りができないところだ。 |
遠くから来た我々をあたたかくもてなしてくれたロッジスタッフ達。 |
秘境のピラルク釣りに使うボートが原住民のカヌーでなくて安心した。 |
この釣行記は、FlyRodders誌 2018年春号にも掲載されております。
次ページ最下段に映像もあります。是非ご覧ください。
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